Contents
適材適所の主なコンサルタント業務の一つにプロジェクト評価があります。適材適所のメンバーがこれまでに経験したプロジェクト評価の業務をとおして学んだことや感じたことをご紹介します。
私はこれまで主に中南米地域や東南アジア地域を中心にプロジェクト評価に関わり、最近ではラオスの保健人材育成に関するプロジェクトの詳細計画策定調査やフィリピンの気象案件の終了時評価等、東南アジア地域での保健医療や環境分野の案件を中心にプロジェクト評価に従事しています。
ラオスの保健医療分野のプロジェクトについては、実施した詳細計画策定調査の先行案件に対して中間レビュー調査と終了時評価に一貫して関わったことから、新規案件の計画策定にあたってはそれまでの経緯や主な課題について比較的多くの情報を事前に得ることが出来ました。同一国で同じ課題分野のプロジェクト評価に継続的に従事する中で、ラオス側の保健省や病院・大学関係者とも顔見知りになる方も増え、技術協力プロジェクトの進捗とともにラオス側で少しずつなされていく変化も目の当たりにすることができました。また、保健大臣との面談や、保健省関係者の多く集まるハイレベルな会議にも参加させて頂く機会を得、ラオスの保健セクターにとって日本の技術協力は重要な位置づけであるに違いないことも読み取ることが出来ました。
プロジェクト評価における評価分析の仕事は、プロジェクトの計画策定に関わる詳細計画策定調査と、プロジェクト開始後のモニタリング評価を行う中間レビュー調査や終了時評価調査、プロジェクト終了後に実施される事後評価が主なものだと思いますが、プロジェクトの詳細計画策定調査がプロジェクトのデザインを1から作っていくという点に面白みがある一方、中間レビュー調査や終了時評価調査では、計画時に想定していたことが実際に始まっていてどうなったか、プロジェクト関係者(日本側、相手国側含め)がどのような課題を抱えていて、それらはどのように解決されようとしていくのか等について関係者間で共有し、対策を考え、良い方向へ動かしていくお手伝いをさせて頂けた時に、コンサルタントとしてやりがいを感じることが出来るように思います。
例えば、昨年フィリピンの気象案件の終了時評価に従事した際には、表面的には問題なく進んでおり目的は達成されたと判断される案件であっても、踏み込んでいくと持続性の面で懸念する点が見えてきたり、プロジェクト終了後の中長期的な課題については、日々のプロジェクト活動を進める中で、日本側・フィリピン側双方で十分に議論されたことがなく、外部のコンサルタントが入る終了時評価のタイミングで初めて問題意識として認識され、議題として皆で議論する機会が持てて良かったと前向きなコメントを頂きました。詳細計画策定調査ではプロジェクト専門家が調査に同行することは数少ないですが、中間レビュー調査や終了時評価では当該プロジェクトに関わる専門家や相手国側関係者も調査期間中は貴重な時間を割いて関わってもらうことが多いプロセスであるため、調査結果がプロジェクト関係者の方にとって有益だった、調査は意味のあるプロセスだったと思って頂けるのはとても有り難いことです。今後も、効果的なプロジェクト運営の一助となるような評価を目指して、プロジェクト評価に従事していきたいと思っています。