合同会社 適材適所では「えるぼし認定」(女性活躍推進法に基づく女性の活躍に関する取り組みの認定)の取得に挑戦し、2018年に最高ランクである3つ星を取得しました。 ナビゲーターの適材適子がメンバー(社員)からよもやま話を聞くシリーズ「適子の部屋」、第2回目は「えるぼし認定」取得を祝して、子育て中の女性メンバーから「えるぼし認定」の5つの認定基準に沿って、わが社の働き方を振り返りたいと思います。
適子:「えるぼし認定」の認定基準の一つ目「採用」は、採用における女性と男性の平等さを確認するものですが、 適材適所はどういう風に人材を採用していますか?
Oさん:定期採用はしていませんが、良い方がいればいつでも採用しています。 採用の時は面接と言うよりメンバーとの顔合わせのような機会を設けて、働き方など含めてざっくばらんに意見交換できるようにしていますよね。私たちの会社の運営方法や働き方を知って頂いて、賛同してくれる人と一緒にやっていきたいと考えていますので。
Yさん:これまでも大々的に広告を出して採用面接をしてというより、口コミやメンバー(コンサルタントである社員)の紹介で入ってくる人がほとんどですよね。社内に業務をゼロから教えてくれるような研修制度はないですし、メンバー各自の専門分野も違いますので、これまでの入社実績でみるとあまり若い人ではなくて、どちらかというと経験者が多いですね。
Nさん:JICA企画調査員、長期専門家、同業他社を経て入社。3児の母。岩手在住。
Nさん:そうですね、わが社の給与形態(*業績給。業績に応じた給与が支払われる)だと、ある程度案件を受注できる経験者が多くなってしまいますね。
適子: ある程度経験のある方だと会社としても業務を受注できるよう支援できますが、新卒の方には厳しいかもしれないですね。
Oさん:でもある程度若い方が入ってこないと、会社が高齢化してしまいますよね(笑)。応札したい案件があってもサポート的な仕事の人員体制が整えられず断念するケースもありますし、コンサルタント業務経験は少なくても調査経験や社会人経験のある能力の高い若い方には是非入社して頂きたいです。
適子: Nさんもそろそろ入社して3年くらいですが、入社のきっかけはなんでしたか?
Nさん:私もメンバーの紹介です。でも最初会社の仕組みを聞いた時、よくわからなかったです(笑)。
Yさん:たしかに、会社の経営方法や各人の役割など、一般的な会社のイメージを持って入ると最初は戸惑うかもしれません。
過去の記事:基本、全員参加なんです! ~適材適所のマネジメント~
適子: 他社の方から「適材適所は入社の際にお金を支払わないといけないと聞いたが、本当か」と聞かれたことがあるのですが。
Oさん:会社の運営資金を社員が会社に貸し付ける制度ですね。
Yさん:そもそも貸付金は強制ではないし会社にも社員にもメリットがあるのですが、そういう誤解をされることもありますね。
適子: 「えるぼし認定」を取得したわけですが、女性を中心に採用を行っているんでしょうか?
Oさん:青年海外協力隊員、同業他社等を経て入社。1児の母。東京在住。
Oさん:いえ、年齢・性別を問わず募集しています。今はたまたま女性が多いですけどね。
適子: 適材適所は評価案件の業務が多いですが、評価業務の経験がある方を採用しているんですか?
Yさん:会社としては評価以外の案件も受注していますし、私は評価経験はない状態で採用されました。分野や地域など評価以外の専門性があれば、必ずしも評価経験が問われるわけではないです。
適子:次に、「えるぼし認定」の2つ目の基準である「継続就業」についてです。「えるぼし認定」では、「勤続年数に男女で差がないこと」というのが基準の一つになっています。
Oさん:別の仕事をしたくてやめる人はいますが、ずっと継続して勤務している人が多いですよね。
Yさん:継続しやすい環境があるように思います。私は入社当時は結婚していたけど子どもはいなくて、その後家族が増えてライフスタイルが変わりましたが、変わる度に働き方を選べるから続けて来ることができました。「会社の制度があるから継続就業できる」のではなく、「自分のライフスタイルに合わせて働き方を選べる」のが良いと思います。
Nさん:他社だと妊娠がわかっても、なかなか言い出せなかったりしますよね。わが社は「この時期はどうしても子供といたい」となればその時期は仕事をとらないという決断も下せるし、もっと働きたければもっと応札することもできます。
Yさん:青年海外協力隊員(短期)、同業他社等を経て入社。2児の母。東京在住。
Oさん:評価業務に従事している方が多いですが、評価は比較的に単独で業務に取り組むことが多い分野だから、自由裁量で仕事がやりやすい分野だと思います。
Yさん:メンバーは東京に住んでいない方も多いですが、それも問題ないですね。自分で業務量が決められるのも良いです。
Oさん:わが社では勤続年数に男女差がないですけど、差が出る理由がないですよね。
適子:「えるぼし認定」3つ目の基準は「労働時間等の働き方」ですが、「法定時間外労働や法定休日労働時間の合計が各月ごとに全て45時間以内であること」となっています。
Oさん:わが社のコンサルタントは裁量労働制なので、この認定基準はあてはまらないんですよね。
Yさん:裁量労働制はフレキシブルに働けますよね。子どもが熱を出して急に保育園呼び出しがあっても対応できるし、回復期も家で看病しながら仕事もなんとかやりくりできるのが良いです。
Nさん:子どもの長期の休みにも柔軟に対応できます。日中は子どもたちと過ごして夜からが勝負みたいな(笑)。
Yさん:平日の参観日や保護者会のような子どもの行事など、在宅ワークと組み合わせて時間を有効活用することで子どもと関わる時間を確保するようにしています。
Oさん:お稽古事とか何でも仕事以外にもやりたいことがあれば、それも出来ますよね。私の場合は美大でデザインを勉強しています。
Nさん:私もコーチングスクールに通っています。
Yさん:私は兼業で大学でも働いています。そういう働き方もできますよね。本業(コンサルタント業)と全然違うことをやっているのではなくて、同じテーマのものを大学では研究、コンサルでは事業としてやっている感じで相互にプラスになっていると思います。
Nさん:最終的には仕事にプラスになりますね。
Oさん:本業以外のことをするために、社内の誰かに許可を取らないといけないわけでもないです。
適子:4つ目の基準は「管理職に占める女性の割合」です。
Yさん:今は女性社員がチーフコンサルタントとして、調整業務等何かあれば他のコンサルタントが相談できるようなポジションを担ってくれています。社内的にも対外的にも何かあればチーフが窓口となる仕組みがあるので、すごく助かっています。
Nさん:何かあれば彼女に相談すればという安心感があります。
Oさん:今のチーフコンサルタントは女性ですけど、今後男性になる可能性もあると思います。でもあまり女性とか男性とかわが社では関係ないですよね。
適子:最後の5つ目の基準は女性の「多様なキャリアコース」ですね。
Oさん:これは基準5の複数ある項目の内、わが社では「おおむね30歳以上の女性の正社員としての採用」等が該当しています。経験のある方に入社頂くと30歳以上ということになりますよね。
Yさん:まだ「過去に在籍した女性の正社員としての再雇用」は該当する例はありませんが、別の仕事をするために退社した方がまたコンサルタントをやりたいということで戻ってこられるようなケースは今後あるかもしれないですね。
適子:今後さらに働く環境を改善していくためには、どうしたらいいでしょうか?
Oさん:社内規定の子育て・介護支援を充実させる作業をしています。例えば一般の企業だと「未就学児が病気の時は休日を取得できる」という規定等がありえますが、わが社の場合は未就学児でなくても家族が病気の時などは自由に休暇は取れますので、実際の状況に社内規定を合わせるという少し前後した作業なんですが(笑)。
Yさん:人手が足りなくて案件に応札できないこともあったので、メンバーを増やすほかにも、他社さんとの連携が増えるよう良い関係をより多く築いていけるといいなと思います。
Nさん:一部の業務は東京近郊在住のメンバーに負担がかかっているのが申し訳ないので、遠隔に住むメンバーもいろいろ可能な業務を提案して実現していけたらと思います。
小さい会社ながらの「えるぼし認定」3つ星の取得はわが社にとっては明るいニュースでした。認定基準ごとに話を進めましたが、特に女性の活躍を推進するために何かに取り組んだということはなく、これまでメンバーが男女関係なく自由なスタイルで仕事に取り組めるよう会社を運営してきた結果が自然と3つ星取得に繋がったようです。